【さろく旅】熊本の宝、甲佐の簗場と甲佐神社。

簗場に寄りて、鮎に親しむ。

夏の旬に、飛びつく。

甲佐町にある簗場にて、鮎尽くしの料理に舌鼓。肥後特有の梅雨のうだるような蒸し暑さの日のことであった。そこには、水しぶきの上げる一見するところ乱れた、しかし全体として定律なリズムの音色が響く。そうして心地よく水の働きを感じていると、心身は涼風に浸っているようであった。

鮎の漁期はしっかりと定められており、簗は産卵のために下る鮎を獲るもの。これまでも毎年6月から11月いっぱい夏から秋にかけての味覚、そして風物詩として親しまれてきたのだという。苔を食する魚であるからして、その身のタンパクにして格別な美味しさは、この時期ならではの旬の味。ちょうど7月の若鮎が骨まで食すのに良いとのこと。まさに梅雨の味覚ともいえるものだった。

肥後の二宮、甲佐神社に歴史を感じ。

肥後熊本の歴史を背負った、甲佐神社。

鎌倉時代の御家人、肥後の竹崎季長の蒙古襲来絵図は、元寇の資料として全国的にも有名なもの。その絵図は伝統ある神社で、社格としても肥後の二宮に位置づけられる甲佐神社に奉納されていた。紋は阿蘇神社を示す”違い鷹の羽”であり、阿蘇を豊かな地にするため、外輪山を蹴破り溜まった水を抜いたという伝説も残る健磐龍命も祀られている。

訪れてみれば、その連綿と連なる歴史の重みを感じることが出来る神社であった。緑川が神社のすぐ傍を流れており、その流れにもまた風情を感じるところ。久しく太陽が照り付けて肌を焦がし、雨上がりの蒸気が肌へと纏わりつく。そんな季節にはこうして鎮守の杜にて、その空気に身を浸しながら、木陰に涼むという経験も価値を持つのだった。

Nikon F3とPREMIUM400を片手に。

ニコンF3PREMIUM400という組み合わせは、こうした炎天下の中でも十分に活躍してくれる。最高シャッター速度1/2000秒という性能によってうまく露出を制御し、その品質を保ってくれる。描写力が圧倒的なそのレンズは、AI Micro-Nikkor 55mm f/2.8S。そこにその色彩が美しいPREMIUM400の表現力が加わればこそ、簗場や神社といった線が多く、質感の必要とされる場面で威力を発揮してくれる気がした。

ABOUTこの記事をかいた人

学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。