阿蘇紀行-ASO GLOBAL GEOPARK- Vol.22 冬支度

阿蘇紀行Vol.22

 いつの間やらあの暑い日々は何処へやら。涼しげな風が吹き抜けていて、朝晩は少しずつ肌寒さを感じるほどになってきた。阿蘇へ赴いてみればいつの間にやら秋の装い。山上に至ってはもう色づき始めていた。谷の田畑は黄金色をして輝いている。とりあえず今年は一年かけた記録写真の為、懲りずに同じ場所へ通い続ける。

滝坂次郎

秋色になり始めた阿蘇山上へ赴きながら、ただそこに身を浸す至福の時間。

 ただただ馬が牧草を食べているのだけれど、額に稲妻のような星がついている。この馬はとても見栄えが良い。私の写真にはたびたび登場する。おお、格好の良い馬がいた。とおもえばいつもこの馬との遭遇なのだから、やはりこの馬の魅力は特別なものがあるに違いないのである。

 
 

 街には雲影、美しい光が差し込めば田畑が幻想的に光る。牧草地では冬支度のため刈り入れが行われている。

 如何とも言い難い素晴らしい模様が大地に刻まれていく。天然の丘陵地帯。大地の皺にそって新たなが表情が生まれる。

 ススキの中を進む牛たちに光が当たればとても眩しい。背景の田畑と共に斜陽の美しさが映える。ただその場に立ち尽くす。何も考えずにいるだけで好い。

同じ場所に足を運ぶ、同じ場所でありながら同じ場所ではない。

 同じ場所に幾度も足を運ぶ。同じ場所でありながら同じ場所ではない。そんな面白さが自然の中にはあって、そうした発見がまた写真の醍醐味であることは間違いがない。それでありながら私の方も、その自然の美しさをどうやって記憶に留めようかと試行錯誤。ただその行為自体がまた面白味があって奥が深い。例えば、デジタルにするかフィルムにするかという事だけでも、またリバーサルフィルムにするかネガフィルムにするかという事だけでも、いや単焦点にしようかズームレンズにしようかという事だけでも、あらゆる思慮がとにかく面白いのである。単に現実を写すという行為であるだけのはずなのに、途轍もない多様性の中に私の選択が存在しているのであって、その選択が私に課されてるのだと思うだけでも心躍る。被写体との対話、没入感が更に心の開放を手助けしてくれる。被写体の魅力を引き出す最良の選択。それが出来ればもっと最高なのだろう。

撮影機材/本体:Canon EOS 5DmarkⅣ(フルサイズ:一眼レフ)
レンズ:EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMEF24-70mm F4L IS USM

ABOUTこの記事をかいた人

学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。