宇土海岸の水鳥|生きとし生けるもの-瞬-

滝坂次郎

生きとし生けるもの「瞬」vol.3

寒さも一段落。しかしまた来週には寒さが舞い戻ってくるという。この日宇土方面までドライブへと出かけた訳であるが、霞み具合もなかなかのもので、島原を見渡す事さえ困難な状況であった。宇土の霞み具合はなかなかのもので、煙に巻かれているのではないかと錯覚してしまう程。宇土マリーナで一息つき、ミカンを購入。それからとんぼ返りで熊本へ戻る。

睦月の宇土海岸

この日は写真機に触れる事を意識していなかったのであるが、帰りになるとふと素敵な光景に出会った。ようやく島原半島がこの宇土半島から拝む事が叶ったというだけでなく、丁度雪が積もる雲仙の上だけに晴れ間が見えていた。その何とも言えない優しい色合いに心を奪われる。海岸沿いには海鳥たちが集い、またその後景には海。そして山が見える。まさにこれこそ”出会い”ではないだろうか。その瞬間写真機を構える。

よき風景とのよき出会い


 午後になるとあたりは薄暗くなり、厚い雲に覆われていた。パラパラと小雨も降り出した。そんなときお目見えした雲仙のこの景色。多くの水鳥達が海岸線で憩う。

セグロカモメの瞬き

 この日は多くのセグロカモメたちと出会った。満ちゆく海を歩くセグロカモメ。映り込みが美しい。岩肌の上には別の小鳥。干潟には面白い模様が広がっている。その上を餌をさがしながら歩くカモメ。


干潟と海のコントラストが美しい。激しい波が打ち寄せる沖合でも餌をさがす。

滑空していくセグロカモメ。まだ若いようである。

浅瀬で憩う。時々顔を下につつく。

水鳥達の暮らし

コサギも獲物をさがしていた。煌めく海との対比が美しい光景。

シギが足早に動く。波紋がすっと伸びる。

美しい宇土の干潟。


 有明海で見られる特有の海苔の支柱式養殖。水平線の向こうは霞み、何も見えない。そしてどす黒い雲が覆っていた。しかし宇土半島を優しく夕焼けが照らしていた。コサギが獲物を探す光景。何とも幻想的な雰囲気であった。

 私が撮影していたところ、すぐ近くでは記念撮影する人々もいて「すごい綺麗。」と感嘆していた。私もこの光景にはとても感動したところであった。

 写真を撮っているとマジックアワーの素晴らしさ、そして素晴らしい出会いに少しずつ慣れてきてしまう。さて「今日はどこどこに撮影に行こうかな。」等と思っていると次第に感動が薄れてきてしまうのが分かるのだ。ここ最近、写真は脇役として活躍している。そんな立ち位置での出会いに感動が舞い戻ってきている気がして喜ばしい。そして写真をしていることを嬉しく思うところである。

ABOUTこの記事をかいた人

学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。