天草紀行-AMAKUSA GEOPARK-Vol.1 紅葉

滝坂次郎

天草紀行

 天草も阿蘇と同様にジオパークに認定されている。この場所もトレッキングを楽しむにはとても楽しい場所だ。海と山と里山の風景を同時に楽しむことが出来るこの場所は日本の縮図のようにさえ思えてくる。同時に海の綺麗さは魅力的に映る。閑話休題、ニューヨークに行って「KUMAMOTO」という名を出せばすぐに「あの最高の牡蠣の」と言われる事請け合いである。今では日本産のものではないというのであるが、近年天草のほうでも牡蠣の養殖が再度始まっているようだ。この豊穣の海で育つ牡蠣。是非食してみたいものである。ところでこの天草のリアス式海岸、後述するが大地さえも”牡蠣”のような形状をしていてとても面白い。

観海アルプスでみる紅葉の天草

 秋の紅葉。いやもう冬の紅葉。天草では12月上旬から中旬にかけて紅葉するようだ。天草の紅葉で検索をかけてもあまり実りは無い。しかし私がこの時期訪れた上天草の紅葉はとても素晴らしい。確かに紅葉の名所と言われる場所のような”真っ赤な紅葉で埋め尽くす絨毯”というような紅葉ではない。実はこの天草の紅葉の美しさはそこにある。落葉広葉樹が点在する植生が魅せる景色がとても好いコントラストを生み出す。上天草にある松島というネーミングの通り、辺りには格好の良い松の木が自生している。

観海アルプスの眺望


 九州百名山の一つ次郎丸嶽へ登った時にはあいにく曇り空であったのだが、頂上付近からの展望は素晴らしいの一言に尽きる。天草の紅葉は点在しまばら。しかしこの植生の魅せてくれるこの光景もとても素敵であった。


 頂上から見える亀次郎岩。大地と海に向かって吠える獅子のようにも見える。実はライオン岩という愛称でも親しまれているらしい。


 堅い岩盤に根を張る松。遠くにそびえる雲仙。


 朝日を浴びる太郎丸嶽(右)と次郎丸嶽(左)。そしてその奥には雲仙の姿。


 観海アルプスにはこうした山脈が連なる。奥にはこの地方でもみられるリアス式海岸。


 次郎丸嶽山頂を稲妻返し付近から眺める。そそり立つ急斜面は断崖絶壁だ。


 雲の合間から連山、そして海へと日光が降り注ぐ。

天草の紅葉


 登山道には紅葉の名残。葉緑体が抜けた葉を落とす。これからこの地方も冬本番。木々たちも衣替え。


 亀次郎岩には目もある。


 朝日を浴びて岩壁にしがみつく松。


 海岸でも美しい光景を目にすることが出来る。杉林に埋まる日本の山林。こうした多様な植生が残る場所を見られるとまた心嬉しい。

上天草の風景


 この地方でも見られるリアス式海岸。PCラーメン形式の天草2号橋を渡りゆく赤いトラック。足早に動くボート。そして紅葉。


 小島の海岸。入光して葉が煌めく。


 そこにある人の暮らし。人の足にもなっているであろうボートが行きかう。


 ボートが通ると波紋が。平穏な海に波が立ち、島へ打ち寄せる。


 植生には松が多い。深い松の緑色と鮮やかな青がハッとさせてくれる。


 ボートと紅葉。

大地が「KUMAMOTO」?!


 打ち寄せる波に浸食される岸辺。まるで牡蠣の貝殻のようだった。自然の力によって創り出された造形。


 流線型を岩肌に見る。円の形をした模様も見える。波と岩の面白い作用だ。


 海は透き通っている。貝類が密生している。その遠くに見えるのは雲仙。

素晴らしき景観

三角西港


 五橋の無き時代を偲びつつ、上天草方面から眺める三角西港。裏山である三角岳の紅葉が美しい。


 夜間、街灯が穏やかな内海に映る。

八代平野


 夕暮時、次郎丸嶽から見る八代平野。


 早朝、白嶽から見る八代平野。工場の噴煙が朝日を浴びて浮かび上がる。

眺望素晴らしく、楽しくトレッキング

 この辺りでは低山トレッキングがとても楽しく行える。そしてその眺望は素晴らしい。海があり山があり、そして植生を愉しむ。こうしてその風土を感じながら歩くというのは格別だ。それはここ天草だけに通用する言葉ではない。同じ熊本の中にあって、こうして見える景色も違えば環境も異なる。そうした当たり前のことを実感を通して学ぶことが今はとても愉しい。

 帰宅しようと日が暮れてしまった後、網田を通り過ぎる。対岸の町並みに明かりがともり、その明かりが上空漂う雲へ反射していた。

ABOUTこの記事をかいた人

学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。