平尾台紀行-HIRAO plateau-秋の光

滝坂次郎

平尾台紀行

 日本三大カルスト台地。それは福岡、山口、愛媛と高知にある平尾台、秋吉台、四国カルストと呼ばれる場所だ。以前から興味があったのだけれど、今回初めて訪れてみた。最初に一番近くの福岡は北九州の平尾台に訪れてみることにした。暫くの間、長い長い雨が続いており、先日台風が来るまでの間は太陽の姿を半月ほど拝んでいない。台風一過、空も高く気持ちの良い風が吹き抜ける。雲の塩梅も良い。早朝3時半から熊本市内を出発、北九州の夜景を楽しんだのち、明るくなりだしてから到着した。この場所についたのは朝7時半。そこから12時半までじっくり散策を楽しんだ。

ススキの時期のカルスト台地/平尾台

 紅葉が見ごろになる前の今の時期、すすきが風によってそよそよと揺れる。雲の影によって草原にその陰影が反映される。そうしたスポット光はあらゆるものを主役へと導いてくれる。この舞台を歩き回ってみたのだけれど、その美しさには胸を打たれる他なかった。朝のひかりから昼の光まで、その光景に恍惚とするのであった。ただ足は棒のようになったのだけれど笑

ススキたなびく羊群の草原

 自然観察センターという所に大きな駐車場があったので、そこに車を停めて歩く歩く。茶ヶ床園地というところまで登って行ったのだけれど、そこにも駐車場があってそこまで車で行けばよかったのかと納得したところだった。この道中もカルスト台地特有の石灰岩が地表に突出しているのが見えて、少しずつ感動が深まっていくのが分かった。

 朝の光によって、ススキが照らされていた。山肌には大きな影が出来ている。

 ススキは所々に群生していて、この日の気持ちのそよ風を受けて音を奏でていた。光の当たったススキ、長秒露光にて撮影してみる。ススキの奥には549メートルの岩山。

柔らかな雲のベールを通す光。

 雲のベールによって柔らかくなった光が山肌を優しく優しく照らす。石灰岩の質感がそれによって浮き出てくる気がした。

 光が当たると白く光る。

 キス岩と呼ばれる奇岩。それから、ど根性の木と呼ばれる岩から飛び出した木。これらは有名スポットなのだけれど実際に見てみるととても面白い。

羊群の草原

 このように岩々が露出している場所を羊群原というのだけれど、確かに羊が群れているようだ。

 丘の上の方には、少しオレンジ色になった場所が広がっている。

 石灰岩が異様に密集している。羊飼いによって柵の中にいざなわれた羊たち。そんな感じだろうか。

縦走中の風景

 丘陵地帯を縦走してみる。岩々が照らされると本当に白く感じる。奥の丘陵は雲の影に入った。こうしたコントラストは実に美しい。歩いていて実に気持ちが良い。

 裏手の杉林もこのような光のコントラストが美しい。少しずつ紅葉を始める木々。これからの楽しみも募る。

舞台に照らされるスポットライト

 下山中に出会う風景。ちょうど昼過ぎという時間、日の高さも随分と高くなっていた。しかし薄い雲によって柔らかな光がつくられ、その下に出来た綿菓子のような雲が影を作る。日中にしては丁度心地の良い光であった。

 照らされていく羊群原。山肌の影の濃淡も美しい。

 雲は少しずつ動く。太陽も少しずつ動く。それに伴って地上の影も少しずつ動く。草原をスポットライトが照らしていく。時には少し強いライトが主役を更に強調する。

秋の光を帯びた平尾台

 平尾台には本当に美しい光景が広がっていて、多くの出会いが待ち受けていた。以前は昼すぎに出かけることが殆どという状況になっていたのだけれど、この季節はなんだか朝早くに出かけてみたい気持ちになる。なんといっても過ごしやすい気候がそれを後押ししてくれている気がする。平尾台。また訪れてみたい場所である。

ABOUTこの記事をかいた人

学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。