【さろく旅】四国松山を巡る。松山城とその城下町。

 久しぶりの休日。梅雨明けしたばかりだというのに、東京の方では18日連続降雨だと言っている。こちらの九州の方でも天気は崩れやすく、この日も雨との予報であった。しかし曇雨の日の旅もとても楽しいものである。この時期の深緑が湿気で潤い喜ぶ喜ぶ。雲は雲で低い雲と高い雲。その雲の明暗が雰囲気を出してくれる。それにスナップ写真では、案外この天気というのはとても面白い表情をしてくれるのである。特に今回松山城を撮る。こうした歴史的な建造物に曇りが映える。

滝坂次郎-銘

別府港からフェリーで四国へ。四国松山で城を撮る。

上バー 四国へわたる船。フェリーからの景色。
下バー


 私が住む熊本を深夜に出発。別府港にて朝5時半発のフェリーに乗船する。夜明けとともに出発といった感じになった。遠ざかる別府港。

 すれ違うフェリーと工場群。フェリーさんふらわあの煙と工場の煙が交錯する。

 稜線に並んだ風力発電所群。雲の低さが際立っていた。四国到着後は、わき目もふらず松山へ。

上バー 松山城に到着。二の丸を散歩。
下バー


 ここからはフィルムでも撮影しているのだけど、日付が確実に約1か月間違っている。帰ってから設定しなおした。こうしてネガフィルムで撮影していると、その歴史的な味わいが増すような気がした。ちなみにContax TVS2で撮影。


 二の丸には御殿があったようで、その跡地は草花園となっていた。二の丸から本丸を見上げる。鬱蒼とした小高い山の上に白い建物が見える。きっと紅葉の時期はさぞ綺麗な事だろう。


 二の丸にも銃眼が備えられていた。ここから見える深緑も美しい。


 いくらか復元されているような建物もあった。


 この松山城に登城する手段にはロープウェーやその横に作られた坂道もあるのだけど、これらは後世造られたもの。実際の古の登城は二の丸から森の中へ続くという。私も最初なのでこの道から登ることにした。山道から後ろ、二の丸を見る。

上バー 二の丸から松山城へ登る。登城?登山?
下バー

 結構うっそうとした森の中を登っていく。注意喚起に動物に注意という看板も立ててあったほどだ。なんというか整備された道を軽登山という感じ。良い運動になった。本丸につくと、明るく開ける。人の量も急激に多くなったので、「ああ松山城はやっぱり人が来るんだ」と思ったほどだ。この道を登る人はかなり少ない。この二つの写真はコンデジ。CoolpixAで撮っている。

上バー 本丸到着。とても好い城郭。
下バー


 急に視界が開け、そこから天守を望む。なんかとてもいい雰囲気で、曇り雨で良かったなぁと感じた。そこを観光客が更に登っていく。ここからはコンパクトフィルムMinolta TC-1で撮影した。

 とても美しい城郭。日本に残っている城郭の中でも、城としての体裁を保っているとても行き甲斐のある場所だと思えた。


 こうして見てみてもこの日のしっとりとした空気感が情緒を醸し出す。石垣の岩の質感。瓦の質感。しっかりとした風格。


 門構え、縄張りがとても新鮮に感じた。熊本城とは異なる良さがそこにはある。


 ここまでくると石垣の切り出し方もこれまでとどこか異なる様相を呈している。綺麗に裁断された岩石。


 上に登るとそこは本丸。庭園のように開けた場所がある。


 どうやら桜の木が植わっているようで、春の姿も想像しながら歩いてみた。


 ここには茶屋のようなものも営業していて、多くの観光客が登城の疲れを癒していた。私も坊ちゃんだんごという三色団子を頬張った。

上バー 天守に到着。松山の素晴らしい眺め。
下バー


 入場料を支払っていざ天守へ。その面構えはとてもかっこいい。


 少し登って天守を振り返る。


 綺麗に剪定された黒松。たくさん並んだ銃眼。


 そこには神をまつった祠も。どうやら天神櫓というらしい。


 綺麗に切りそろえられた石垣が美しい。


 二の丸から見上げていた天守が、もうこんなにも近い。


 小天守の銃眼から覗く。


 小天守の小窓から大天守を望む。雰囲気は熊本城でいう所の宇土櫓といった風情で、とても素晴らしい城。


 大天守からの眺めは最高だ。松山の街を一望できる。




 眼下には町並みが広がっている。遠くまで見渡す事の出来る城塞。ここからの眺めは格別であった。


 帰りに眺める松山城の天守。少しずつ青空が顔をのぞかせていた。

上バー 歴史が息づく街。松山。
下バー

 松山市内で撮影した街角。オレンジの電車の丸っこいフォルムが可愛らしい。夕陽に照らされる街。

 老若男女を問わず、人々が行きかう商店街。大街道。所々に赤いテレフォンボックスが点在している。レトロだけどお洒落な一角だった。入り口には松山三越。

松山という素敵な都市

 松山をくまなく見て回った訳ではないのだが、この都市も地方における中心都市といった様子。あらゆるものがぎゅっと詰まったコンパクトシティである。この場所は私の郷里でもある熊本とあらゆる共通点を見いだすことが出来る。例えばなんといっても”松山城”という市民に愛され、誇りでもあるであろうシンボルを中心に頂いている点。つまり城下町であるという点。更にはここを納めていた大名が、清正と同じく豊臣恩顧の七本槍の一人であった”嘉明”が築いた城塞だという点。そして偶然ながら同姓の加藤だという点。ここが夏目漱石ゆかりの地であるという点。電車が通っていて、大きな商店街が町の中心にある点。また温泉があるという点。そうして似ている点を挙げるとするならば本当にいくらでも共通点を見いだすことが出来る。面白い事に、熊本人の私が行ってみて、その居心地の良さは他県を凌ぐほどだった訳である。こうした感動を鑑みるに、日本人であるというのに、「日本の事を知らないなぁ。」とまさに痛感する次第なのだ。こうして情報媒体が発達した今日、多くの情報を得ることが出来ると言っても、こうして実際に行ってみて感じる空気感というのは心に響く学びであって、やはり多くの場所を巡ってみたい。そんな気持ちになった旅であった。

松山城をデジタルで撮影した写真

松山城の夕暮をタイムラプス


この時旅した別子銅山の記事はこちら

【さろく旅】別子銅山。東平まで登る。ここは東洋のマチュピチュ?

2017.08.21

ABOUTこの記事をかいた人

学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。