Deutschland:ドイツを巡って出会えた風景

血の滲む写真機を片手に

 以前かの国を一周する機会に恵まれた。

 フランクフルトから入り、ミュンヘンから出る。

 そんな旅で重宝したのはジャーマンレールパスだった。

 ドイツ鉄道が使い放題のそのチケットは、大いに役立ったし、大都市になると複雑になる鉄道網を掻い潜る際の手助けにもなった。

 持ち歩いたコンパクトデジカメは祖父から譲り受けたもの。

 祖父が毎日の散歩で持ち歩いていたのだが、転倒し流血、その衝撃で不具合のあるものだった。

 その血の滲んだカメラを私が引き継ぎ、ただ気の向くまま写真を撮る。

 もしかすると私の写真の原点はここだったのかもしれない。

東側

西側

ベルリン

懐かしい風景と共に顔を思い出す

 ドイツは懐深く私を受け入れてくれたし、この招かざる客にとても親切にして頂いた多くの方々の顔を思い出す。

 バス停のトルコ系の親子。道を尋ねると子供を保育園の前で降ろし、私を直通列車のプラットホームまで送ってくれた。

 乗り換え場所だと知らず座席に座っていると、乗り換えだと一生懸命に身振り手振りで教えてくれたドイツのご婦人。

 安宿で受付に人がおらず、電話してくれとのドイツ語の置手紙。私の分までチェックインしてくれたドイツの男性。

 地図を見ながら歩いていると、「大丈夫かい?」と声をかけてくれたドイツの若い男性。

 兎に角、こうしてもう何年もたっているというのに一人一人の顔を思い出す。

ABOUTこの記事をかいた人

学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。