【世界遺産】産業遺産巡りが趣味の私が選ぶ3つのおすすめスポット-三池炭鉱

三池炭鉱は世界遺産の中の一つを構成している。木材>石炭>石油と主要エネルギーが変化してきたが、石炭はイギリスの産業革命以来、産業の発展に欠かせない物だった。この三池炭鉱も同様に日本の発展に貢献してきたことは間違いない。後に三池争議の舞台ともなるが、日本の歴史の光と影の舞台となった炭鉱は今もその姿をとどめている。多くの遺産が消えゆく中、こうしたものが残っている事は幸運の一つなのだろう。

滝坂次郎

斜陽産業となった石炭・炭坑業

斜陽産業今ではこの場所は世界遺産として登録され、それ以前にも観光地として盛り上げようという機運があった。この土地の人々はまたそれを望んでいた。ボランティアの案内人には、かつてこの場所で実際に働いた炭鉱マンの姿もある。彼の話によるとこの地にはまだまだ未採掘の石炭が埋まっている。しかし不採算の為に事業としては成り立たないのだ。また再び以前のエネルギーが見直される日も来るのだろうか。

明治産業遺産・三池炭鉱-3つのおすすめスポット

1.万田抗-Manda coalmine

万田坑私は万田坑をはじめて訪れたとき感嘆の吐息を洩らした。「熊本にこんなスポットがあったとは。」と。それ以降このような明治建造物を巡ることが大好きになった。まさに虜にされてしまったのだ。現在は世界遺産ともなり脚光を浴びたが、その魅力は俄然衰えず、高まる一方だ。日本に温故知新という言葉があるからには、その歴史の上に我々の生活がある事を決して忘れてはならないのである。

万田坑-内部内部は痛み老朽化が進んでいるが、そこがまた味わい深い。竪坑だけではなく、労働者たちが仕事終わりに使用した浴場や作業場も当時の姿を残している。こうした事実は、ここを訪れた者達を現役として稼働していた頃へタイムスリップさせ、そこに生きた人々に思いを馳せさせる。

沈殿池駐車場も完備され、資料館などもありどんな人にもフレンドリーな場所だ。ちなみに沈殿池を含めた外観だけならば料金はいらない。また上記の夕陽の写真もここから撮ったものだ。大人410円/高校生300円/小中学生200円/それ以下無料。定休日は月曜。〒864-0001 熊本県荒尾市原万田200-2

【さろく旅】世界遺産の万田坑。日の本を支えた巨人/荒尾・大牟田-前編

2017.01.09
▲【さろく旅】のほうで全容を紹介。

2.宮原抗-Miyanohara coalmine  web2

宮原抗世界遺産には石炭を運んだ鉄道敷まで含まれている。宮原抗横にはその跡もはっきり見ることが出来る。私が訪れたときには子供たちが総合学習の時間にみんなで考えたポスターなどを携えていて、三池炭鉱の歴史を教えてくれた。

宮原抗-内部中に入ってみるとかつてそこに炭鉱夫が働いていた姿がありありと見えるようだった。今にも動きそうな機械、さっきまで使われていたかのような用具が面影を残す。ここは囚人労働も行われていた場所である。ちなみに駐車場もきれいに整備されている。料金無料。定休日なし。〒836-0875 福岡県大牟田市 宮原町1-86-3

3.旧三井港倶楽部-Minato clubweb2

旧三井港倶楽部ここは以前は高級外国船員の接待所として用いられた三井財閥の迎賓館である。明らかにその様相は日本の伝統建築ではない。しかしどこか懐かしいのだ。私は万田坑を含めたこの地域を訪ねた際は、ここで一服する。現在はレストラン等としても用いられているのだ。

三井港倶楽部-フロア明治の雰囲気に包まれながら優雅にお茶をする時間を満喫してもいいかもしれない。ここで食べられる港倶楽部伝統カレーは絶品。何をせずとも見学だけというのもさせてもらえる。駐車場あり。定休日は火曜日。〒836-0062 福岡県大牟田市西港町2-6 このとなりに実は三川坑があり、現在は見学までできる。

【さろく旅】華麗なる港倶楽部。剛健なる化学工場。/荒尾・大牟田-後編

2017.01.10
▲【さろく旅】のほうでコース料理を紹介。

三池炭鉱の暮らし

昭和後期まで三池炭鉱は稼働していた。そして様々な歴史の舞台になってきたのである。戦後の時代、炭坑労働者はやはり貧しく、そんな彼らを親に持つ子供たちも同様に貧しかった。私はその時代を写したとある本に衝撃を受けた。学校で弁当の時間に弁当を持ってこない子供たちの写真を見たからだ。また炭坑採掘で不要な土砂を堆積させる「ボタ山」で子供や老人が黒い石を探すのである。今日の寒さをしのぐための石炭を、いつ崩れるともしれない命がけの「暮らし」としていた。そんな現実を写した写真家・土門拳。素晴らしい写真と共に後にはなにか深く考えさせられる。

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▲長崎県、池島炭鉱の記事。全4回。

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学生時代にドイツを一周。ジャーマンレイルパスを使って鉄道の旅だった。そのとき始めて触れる空気に圧倒されたのだが、南ドイツに行くにつけ何か懐かしい空気を感じていた。放牧された牧野や美しい川が流れる渓谷。森林の中での散策。そんなときふと思い出したのは地元熊本の阿蘇だった。その景色や空気は阿蘇と似ていた。しかし、南ドイツにも阿蘇にも代えがたい魅力がある事に気づく。私は日本を一周した事がない、それと同じで多くのドイツ人も国を一周した事はないに違いない。私は極限られた自分の生きてきた土地のことも知らなかった事に愕然とする。生きている場所、熊本の魅力は何か、日本の魅力は何か、きっと多くの発見が身近に潜んでいるに違いないと思えた。そんな地元の魅力を発見、いや再発見していくのがこのブログの目的だ。多くの事実を知り、多くの方とそれを共有していくことが出来れば、私にとってこの上のない喜びである。